相続に伴う手続で提出を求められる戸籍謄本等の範囲については別のページで事例を紹介しておりますが、同時に『遺産分割協議書』の提出を求められることが多数あります。当然ですが、『遺産分割協議書』は戸籍謄本のように公的機関が作成して発行する文書ではなく、相続人自ら作成する文書です。
『遺産分割協議書』は各個別の遺産の帰属先を証明するために作成する文書であり、このような文書を白紙の状態から作成することは難しいと感じるかもしれません。しかし、決して難しく考えることはなく、どの遺産をどの相続人が取得するのか、第三者が見ても判定できるように記載して作成すればよいのです。
特に気を遣うところは、≪人物・遺産・遺産の帰属先の特定≫ です。
例えば、相続人の氏名・住所・生年月日の記載があれば、相続人を特定するに足る情報として充分です。
ここでは、基本的な『遺産分割協議書』の記載例について紹介いたしますので、 ≪人物・遺産・遺産の帰属先の特定≫ を意識して現実の内容に当てはめてください。
事例:
被相続人 A
相 続 人 B C D
遺産分割協議書
被相続人 A(令和 年 月 日死亡)
相 続 人 B(昭和 年 月 日生)
相 続 人 C(平成 年 月 日生)
相 続 人 D(平成 年 月 日生)
上記被相続人の遺産の分割について、上記相続人全員による協議を行った結果、次のとおり決定した。
1.相続Bは次の遺産を取得する。
(1)不動産
○○県○○市○○1丁目〇〇番地〇
家屋番号○○番○ 居宅 木造○○葺2階建
床面積 1階50.00㎡ 2階50.00㎡
(2)動産
上記(1)記載の居宅内に存する家財道具全部
2.相続人Cは次の遺産を取得する。
(1)預金
○○銀行 ○○支店 普通口座 口座番号○○○○○○○
3.相続人Dは次の遺産を取得する。
(1)現金
金○○○○○円
以上のとおり、相続人全員による遺産分割協議が成立した証として本書を作成し、署名押印する。
令和 年 月 日
【相続人 B の署名押印】
住所 ○○県○○市○○1丁目1番1号
氏名 (署名) ㊞(実印)
~以下省略(同じように C と D が署名押印)~